真鍋のキヲク。
岡山に引っ越す前に、
一度一人で真鍋島に行ったことがあった。
それは2007年の7月27日で、
当時は月に1〜2回のペースで
週末、大阪から岡山に遊びに行っていた。
ひとりで真鍋島に行った時の写真を
ふと見たくなって古いデータを
取り出してみると、
それらは思った以上に美しかった。
色とりどりの花、
港の風景、
小学校、
そしてやっぱり真鍋島と言えば!
な沢山の猫の写真など。
そして島で暮らす人の姿。
当時はよく出会った人に声をかけて
写真を撮らせてもらっていたので、
おじいちゃんやおばあちゃんの
カメラ目線の、
そしてとびっきりの笑顔の写真も
数枚混じっていた。
その中で、
わたしは『ヒロシ』という
黄色Tシャツに赤パンの
なかなかパンチのあるおじさんの写真を撮った。
わたしがカメラをかまえると『ヒロシ』は
カメラ目線で口角をきゅっと結んで
腕組みをした。
そしていつか撮らせてもらった写真を
持ってきてプレゼントすると約束した。
ちなみに『ヒロシ』という名前は本人から直接聞いたのではなく、
そのあとにたまたま見つけて
ふらっと入った小さな喫茶店のような
お好み焼き屋さんで
店主のおじさんに
「さっきこんな人に出会って写真を撮らせてもらったよ。」と
話をすると、
おじさんが
「それ、ヒロシだな。」と言っていたからだ。
さすが小さな島。
島民のことはみんな知っているような雰囲気だった。
そしてその店主のおじさんにも
写真を撮らせてもらい、店をあとにした。
そして時はたち
2009年の1月25日、
わたしはNATSUと真鍋島を訪れた。
もちろん『ヒロシ』と店主のおじさんの写真を持って。
前回と同じように
花を撮って
おばあちゃんたちと会話を交わして
猫を追いかけて、
小学校の校庭で遊んで、
それは一人で訪れた時よりも
ずっと楽しくてあっという間の時間だった。
(photo by natsu)
もちろんお好み焼き屋さんの
店主のおじさんにも会いに行った。
無事写真を渡すことができた。
でも『ヒロシ』に会うことはできなかった。
こりゃまた真鍋には来なあかんなぁ
と思っていたのに、
結局行かないまま岡山を去り、
もう10年近くが経とうとしている。
この間
あのお好み焼き屋さんのことを思い出して
食べログで調べてみたりしたけれど、
やっぱり出てこず・・。
NATSUによると
どうやら閉店したらしいとのことだった。
おじさんはまだ元気かな。
あのお好み焼き屋さんがないとなると、
どこでごはんを食べればいいのだろう。
わからないけど、
また行きたいな、真鍋島。
ZONO